古フランス語 blanc
=========* 註 *=========
古フランス語 blanc (白...女性形は blanche ) を語源とする英単語の主なものは、表の中にある
blanch、blank、blanket などで、
この他に Mont Blanc (モンブラン…アルプス山脈最高峰でフランスの「白山」)、
blancmange (ブラマンジェ…白いゼリー状のデザートで、文字通りの
意味は「白い食べ物」) などがある。
古フランス語 blanc はラテン語起源ではなく、フランク語 *flankaz に由来する。ゲルマン民族の一派であるフランク族が、
民族大移動期の481年に北ガリアに建国したフランク王国は、9世紀には「西ローマ帝国」として東ローマと対峙する大国になった。
このころにはフランク人は母語を忘れて征服したガリアの言葉(俗ラテン語を母体としてガリアで発展したロマンス語)を使うよう
になっていたが、語彙の中には多くのフランク語が残っていた。古フランス語においても「白」を意味する語はフランク語起源の blanc で、
今日もこの語が使われている。
なお、ラテン語 albus (白い) も様々な形でロマンス語の中に生き残り、その一部は英語にも借入された。これらを含め、
印欧語根 *albho- (白い)に由来する
英単語は <*albho->
の表にまとめてある。