古フランス語 garder = 見張る
=========* 註 *=========
古フランス語garderはラテン語起源ではなく、ゲルマン民族の一派であるフランク人の言語の *wardōn (見張る)に由来する。
ラテン語では古典期以降、[w]の音が消失し始め、俗ラテン語でも[w]がなかった。
ゲルマン語系の語にある[w]は[gw]になり、11世紀中頃からは[g]と発音されるようになった。
俗ラテン語を母体とするフランス語でも同様の変化があり、*wardōn (見張る)からgarder (見張る)というフランス語が生まれた。
しかし、フランス北部に進出して定住したゲルマン民族ノルマン人のフランス語の中には、ゲルマン系言語に顕著な[w]の音が残り、この音を表わす文字として、uu(のちにw)が使われ普及した。このため、古フランス語garderがノルマン人を介して英語に入るときには、「ゲルマン的」にwから始まるようになったのである。