=========* 註 *=========

英語mantis (カマキリ) の語源は、ギリシャ語mantismantisの語義として「占い師」や「予言者」の他に、「ウスバカマキリ」をあげていますが、「占い師」と「カマキリ」の関連についての説明はありませんでした。


英語では、mantisはpraying mantisとも呼ばれるのですが、これについては、折り曲げた二本の前足を合わせて止まっているカマキリの姿が、人が祈っている様子を連想させるためだとする辞典は多数あります。 古代ギリシャ人も、前足を折りたたんで草むらの中でじっとしている様子から、この昆虫を占い師や予言者に見立てたのでしょう。 “THE PRAYING MANTIDS” という本には、カマキリが、道に迷った旅人に正しい帰り道を示す力があると信じられた事も 紹介されています。


面白いことに、日本大百科全書によると、日本語でもカマキリの方言として、オガメ、オガミムシ、ネギサマなどがあり、これは「捕獲の準備姿勢を祈祷姿勢と見立て」たものだということです。


カマキリは基本的には、生きている昆虫を食べる肉食性で、動く昆虫を捕獲する様子が観察される事も多いため、praying mantisはpreying mantisの誤りだと誤解する人もあるようです。 (ここで「prayとprey?」と思った方は、こちらで確認してください。)