nave 名詞 *nāu-14
=========* 註 *=========
nave (身廊) とは、教会の建物において正面入口から内陣 (chancel) までの、側廊 (aisle) を除く 空間で、ここに信者たちの席が置かれる。

ラテン語 navis (船) は、中世ラテン語で 「身廊」 の意味を持つようになり、 これが ロマンス諸語 に引き継がれ たので、フランス語 nef、イタリア語 nave、スペイン語 nave にも、「身廊」と「船」の両方の 意味がある。面白いことに、ドイツ語 schiff とオランダ語 schip にも、「身廊」と「船」の両方の 意味がある。これらの言語を使う人々は、教会の身廊にいるときには船を思い浮かべるのであろうか。

そもそも何故、 「身廊」 が船で表現されるようになったのだろうか。国家を船に例えるギリシャ以来の伝統や、ノアの箱舟を教会である ととらえる考えなどが関連しているのだろうか。nave も、探究心をかきたてる語の一つである。