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『 新英語辞典
(仮称)』
の特徴 ◆
ほとんどの基本語を収録する … 私たちが目指しているのは、必要なときに引いて使う
語源辞典、言い換えると、学校の教科書や仕事上の資料など、現在読むべき
ものに出てくる未知の語について、そのつど語源解説を得てその場で記憶していけるような辞典です。これを前提にすると、基本語を網羅し
ている辞典になります。(基本語の範囲をどのように設定するのかは大変難しい問題です。この問題に関する
現段階での私たちの
考えについてはこちらをご覧ください。
単語が語源別に分類されている …
「語源から覚える」といっても、個々の単語の語源をその都度知るだけでは高い効果が期待できません。例えば、 perennial は
[ per- (...を通して) + annus (年) ] と分解できる、 「年を通して続く」 が原義だから、
perennial は 「絶え間ない」 という意味になる、と説明されても、これだけでは記憶の助けとしては頼りないでしょう。
しかし、 「年」 を意味する enni の部分は、「ミレニアム」として日本語にもなっている millennium の enni と共通すると教えられれば、
記憶の手がかりが増えることになり、効果は格段に上がると思います。
このように、
同じ語源の語を相互に参照して記憶を強化するためには、単語を語源別に分類してある辞典が必要になります。
基本語が品詞別に整理されている
… 語源ごとに分類された基本語を、語源別一覧表に整理しました。この表は、
動詞 / 名詞 / 形容詞 /副詞その他 / の四つに縦に
分割されていて、収録された語の品詞は表の中の位置でわかります。この表を使えば、例えば、 produce という語が動詞でも名詞でも
あることが一目ででわかりますし、同様に、
contingent が名詞でも形容詞でもあることが
一目瞭然です。
品詞の認識は読解力や作文力を培うために不可欠ですから、この特徴の意義は大きいと思います。
理解しやすい語源説明がある … 語源説明が、
簡単な形態素分解だけでなく、必要に応じてより詳しく親切であることも特徴です。たとえば、
conceive と perceive は、接頭辞と語根に分解するだけの簡単な語源説明では、両方とも「完全に取る」になりかねません。
私たちは、原義的な意味と実際の意味を
表の中に工夫して配置し、
簡潔ながら理解しやすい説明も付けました。
語源から語源への相互参照が容易に出来る
… 英単語の中には複数の語源から成るものが数多くありますが、これまでの
語源別辞典では、両方の語源を調べるには手間がかかりました。
例えば、 pentagon を調べる時には、まず索引を開いて探し、この語が「五」と「角」という二つの要素から
成り立っていていることを知ります。もし最初に 五 (penta) のグループを見た場合、
そのあとでまた索引まで戻り、ページを調べなおして 角 (gon)の語源グループまで行くというのは、忙しい学習者にとっては負担になる
手間です。これに対し、私たちの提案する辞典なら、即座に 角 に
関連する語群が見られますし、再度 五 に戻って確認する
のも簡単です。
英語の歴史や文化に関する解説や註がある
… 単語学習をきっかけにして、
英語をはぐくんだ歴史や文化についても知識が
ひろがる辞書を作りたいと思います。英語を正しく送受信するためには、、英語文化への理解を深めることが不可欠だと思うからです。
本当は、 「例文が豊富にある」 こともあげたいのですが、
ほとんど例文が付いていない現状を考えると、これを他の特徴と一緒に並べるのは気が引けます。しかし、自分たちの力量不足を棚に上げて言うなら、
語源を理解して記憶の土台を作った直後に、実際の意味を示す例文をいくつも「多読」できるような
辞典があったら、学習効果は飛躍的にあがると思います。
さらに、、記憶を補強するための工夫として、
紛らわしい単語を整理して比較できる
表
や
語呂合わせ も掲載しています。